いつもご覧いただきありがとうございます。
スターク訪問看護ステーション広報担当です。
昨年より認定看護師の資格取得のため、支援制度を活用して資格取得に奔走する当社スタッフの様子をお届けしてきましたが、今回が最終回となります。
資格取得を目指した通学を経て得た学びや、良かったこと、大変だったこと、どのような変化があったのかなど様々な経験を経て成長した佐野さんから話を聞きました!
認定看護師の資格取得に興味がある方はもちろん、看護の仕事でもっと成長したい、今の自分を変えたい!と思っている方にとっても有意義な体験がたくさんあったようです。
是非、最後までご覧ください。
認定看護師資格取得のための通学の日々を経て、佐野さんにとってどんな学びがあったと感じたのかを聞いてみました。
私が最も学びになったなと感じたことは「ご利用者様理解の重要性」です。
この理解を深めることがご利用者様やご家族様、そして看護にあたる私たちが思い描く看護をするために、本当に重要だと改めて気付かされました。隠された悩みや想いを引き出すことも、看護の一環であり、寄り添いたいという気持ちは、言動ひとつで相手に伝えることができるということが分かりました。
看護師として働くと、誰でも先輩や上司の指導を受けながら経験を積みます。そこから自分なりの看護の形を作り上げ自信をつけて仕事をしていますよね。
私も、これまでの経験で培ってきたものをさらに成長させるという気持ちで認定看護師の資格取得を目指していました。
学校では経験豊富な仲間と一緒に学ぶことができ、グループワークでアウトプットする中でも、伝え方や聞き方など得られるものが多くあり、自分自身も成長を感じていました。
それでもやはり、実習で実際にご利用者様を目の前にして問題に向き合うと、これまで捉える事ができていなかった自身の課題が見つかり、ご利用者様を全人的に理解することの大切を理解できました。
実際に「ご利用者様理解の重要性」を感じたご利用者様の方との関わりがありました。
その時のテーマとなったのは、ご利用者様にとっての「自立」とは何かということでした。
ご利用者様にヒアリングをして、これから何のために「自立」を目指すのか看護目標やケアを計画する。
これは、これまで私が経験してきたことと大きな違いはありません。
今、ご利用者様が置かれている心身・経済・役割・社会的側面を見て話を聞き、丁寧に目標設定をする。
これが「出来ているつもり」だったのだと、気づかされました。
認定看護師の資格取得の過程において、これまでの捉え方では不十分だったと感じてしまったんです。
今回の例で言うと「何のための自立」なのかという事を真にとらえることが、看護を行う上で非常に大切であり、ご利用者様から得られる反応やケアの結果に影響がでることを学びました。
実際の看護の内容としては、医療機器管理の自立です。
ヒアリングをしてみると‟自分の時間を作る”だけでは自立に前向きになれなかったご利用者様が“母として子供に料理を作ってあげる時間を作るため”と目標の視点を変えるだけで、明らかに練習する姿勢や自立の速度が改善し、日々の達成感が自信に繋がり、生活の質が向上するということを目の当たりにすることが出来ました。
ご利用者様にとって「何のためのケアなのか」を伝え寄り添うことで、ケアに対する姿勢を前向きにし、効果を高めることにも繋がっていると実感しました。
日々、私たちはご利用者様のことを考えケアを提供していますが、ただ看護師目線で必要だからと一方的にケアを押し付けてしまうと、ご利用者様はケアに対する意味を掴むことが難しくなってしまいます。
また、結果的にご利用者様のこれまでの生活や気持ちを置き去りにしてしまっている可能性もあると気づくことができました。ケアはご利用者様の長期目標の達成と関連させ、必要性の意味づけができているのかを振り返ることが重要だと感じました。
認定看護師の資格取得のためではありますが、過程を丁寧に踏む事の重要性を、身をもって感じられた経験でした。
確かに、毎日の業務をこなす中ですべてにおいて完璧かつ丁寧にこなすことは難しいかもしれません。
それでも、経験を積んでスピード感も備えた丁寧な対応こそが、ご利用者様の理解へと繋がり本当の意味で必要とされる看護を提供できるのではないかと考えられることができました。
実習では「壁」にぶちあたってしまったと感じたこともありました。
実習先は全く知らない場所で馴染みのない環境である中、1ヶ月で結果を出さないといけないというプレッシャーがあり、自分がこれまで学び経験してきたもの全てを出し実習に挑みました。
その結果、撃沈してしまったんです。
これまで私が考え行ってきた看護が「つもり」であったと自身の未熟さを痛感するとともに、正直とてもショックを受けてしまいました。
今振り返ってみると、この実習で指導者の方からここまでハッキリとご指導いただいた事に本当に感謝しています。
実務では職場に所属しており、人間関係を気にしてどうしても指導に「忖度」のような部分が出てきてしまいますよね。
今回の実習ではそのような側面がなかったことで、自分が完璧だと思えるほど時間をかけて準備をし、自信を持って提出した「看護計画」に対して、不足している視点に気付かせてもらえたことが一番の成長に繋がったと感じています。
看護においてご利用者様ひとりひとりのケアに同じものはなく、指導する側も言語化して伝えることはとても難しいことだと思います。
それでも、これからよりよい看護を提供していくために後輩指導を行う際には、言語化を意識して伝えていくことも重要であると感じられました。
佐野さんが認定看護師の資格取得に踏み出せた理由のひとつには、支援制度が後押し出来たという背景があります。
実際に佐野さんが一緒に学んだ学校の研修生の中には、認定看護師の資格取得を目指すことに対して会社の理解を得ることが出来ず、退職して参加しているという方もいたそうです。
費用・時間など通学にあたってクリアしなければならない問題も少なくありません。
佐野さんもこの支援制度があって本当に良かったと感じていたようです。
認定看護師の資格取得を目指すには、修了するまでの周りの理解とフォロー体制が整っていなければ達成することはできません。
スタークでは安心して通学できるよう、在学中の授業や実習は業務扱いとなり、他の社員と同様の休日数も調整しながら取得して、長きに渡る学習期間を一緒に乗り越えて合格を目指していこうという制度が充実しています。
また、認定看護師の取得にあたってのフォローには以下のものもあります。
・大学受験費用
・大学入学金、授業料
・入学に必須となる健康診断料
・修了後の審査料
・認定看護師の登録費用
・通学の旅費交通費
これからも佐野さんのように、認定看護師の資格取得を目指す方のサポートを続けていきます。
無事、認定看護師資格取得のための通学を終えた佐野さんには早速目標ができました。
それは、スタークの「認定看護師チーム」の一員として、もっと広く認定看護師の存在を知ってもらい、頼ってもらうことで会社全体の看護の質を高めることです。
これまでは、そもそも会社内で認定看護師に頼るという習慣自体があまり浸透していませんでした。
そのため2023年度には、まずはどの拠点に何の認定看護師が在籍しているのかを知ってもらうために認定看護師マップを配布したり、認定看護師に気軽に質問ができる仕組みを構築したりと、認定看護師が主体となって社内活動を行ってきました。今後の認定看護師チームの活動に参加し、さらに活動の幅を広げていきたいと考えているそうです。
「認定看護師の資格を取得したからといって、すべてのことに長けているわけではありません。
学んだ事を実践して経験を力にするこれからの過程が重要な「訓練」だと思っています。
その中でも、たくさんの仲間の質問に応えたり、現場に行って認定看護師として一緒に問題に丁寧に向き合うことが出来る環境を作ったりしていくことも、私の使命だと感じています。」
「認定看護師の資格取得のための通学は、大変なこともありましたが、本当に楽しかったです!」
そう話してくれた佐野さんは、通学前よりもキラキラと輝いていて素敵でした。
スタークでは若い世代や未経験でも看護の仕事に興味を持って知ってほしいと考えています。みなさんの想いを大切に一緒に育みながら、成長できる環境を構築していくことで社会への還元を目指していきます。