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スターク訪問看護ステーション広報室です。
今回は、先月スターク訪問看護ステーション小岩にて行われた不整脈についての勉強会の様子をご紹介いたします!広報室も実際に勉強会に参加して、司会を務めた3名の看護師にインタビューを行いました!勉強会の概要と共に、看護師さんに聞いたこれからの目標についてもご紹介いたしますので、ぜひ最後までご覧ください。
<実施背景>
心疾患がなくても不整脈が起こる可能性があり、不整脈に気が付いた際に報告・対処を正しく行うことができるように知識をつけるため
<参加者>
看護師、セラピスト約20名
<研修方法>
座学+グループワーク
先月、小岩ステーションにて「不整脈」の勉強会を行いました!
今回の勉強会の実施背景は、心疾患がなくとも起こりうる不整脈に対し、気が付いた際に報告・対処を正しく行うための知識をつめるために開催されました。
参加者は看護師、セラピスト計20名ほどで行われ、グループワークを交えながら職種の垣根を越えて意見交換を行いました!
不整脈とは、心拍数や脈拍数が正常(=整脈)よりも多いまたは少なく、心拍数やリズムが一定ではない状態のことをいいます。不整脈にはいくつかの種類があり以下の特徴があります。
・徐脈…1分間の脈拍が60回未満
・頻脈…1分間の脈拍が100回以上
・リズム不整…心拍数や心臓の鼓動のリズムが一定ではない
正常な脈拍は、1分間に60回~100回です。(成人の場合)
不整脈を発見した場合には、症状の有無を確認し対応を判断しなければいけません。
徐脈の症状については、めまい・失神・意識障害・痙攣・血圧低下・末梢冷感・息切れ・倦怠感などが挙げられ、めまいや失神などがあった場合は早めの受診が求められます。
頻脈の症状については、脈の乱れの自覚・動悸・胸部不快感・胸痛・のぼせ感・めまいなどがあげられ、まれに失神なども起こります。
観察項目としては、バイタルサインと自覚症状の確認を行います。意識障害や失神、痙攣、著明な徐脈やショック症状があった場合には緊急対応が必要です。
不整脈診断には心電図やトレッドミルなどの機械類が必要ですが、在宅ではそのような機械を使って調べることは難しいです。症状がある場合には早めに受診を行いますが、症状がない場合はセルフチェックや生活指導、医師に指導するといった対処を行います。
今回の勉強会では、不整脈に関する症状や対応の基礎を座学で学び、そのあとグループに分かれて事例ごとに重要なアセスメントポイントを考え、共有を行いました!
年齢や性別、症状や環境などの因子から、緊急性の有無やアセスメントポイントをできる限り多く見つけるという実践的な内容でグループワークを行いました。
グループワークは、司会者から事例が共有され、グループごとに話し合い結果を全体に報告する形式で進みました!小岩ステーションは勉強会の開催頻度が高く、日頃から積極的にコミュニケーションを行っているため、かなり活発な意見交換となっていました。
看護師とセラピスト間での意見交換も積極的に行われていたのが印象的でした!
特に、グループワークの中で、もうこれ以上観察ポイントはないのではないか……?と諦めかけた際に、新たな観察ポイントとして「脱水」を挙げたスタッフが!思わず拍手と「おお~!」という歓声があがりこの日一番の盛り上がりとなりました!司会を務めた看護師さんからも、「さすがです!」との評価があり、無事にグループワークを終えました。
不整脈の勉強会を担当した看護師さん3名に、インタビューを行いました!
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広報:本日は勉強会、お疲れ様でした!改めて今日の勉強会の背景を教えていただけますか?
Aさん:今回は看護師だけではなく、ぜひリハビリスタッフの方にも不整脈について詳しく知っていて欲しいという気持ちがありました。不整脈は症状が出たときに慌ててしまうことがあります。緊急性の有無やこの状態をどのくらい様子をみていいのかかなり悩んでしまうケースも多いと思います。リハビリスタッフもそうですが、看護師も「これってどうなんだろう」と思ったときに近くに心電計がない、医師がいない、という在宅の状況だからこそ慌てずご利用者様に安心してもらえるようにすることがとても大事だと思い開催しました
Bさん:補足で少し。チームで連携してご利用者様にサービスを提供するとき、他のスタッフが書いた記録を確認しますが、よく不整脈を認めたという事実の記載はあるのですが、その解釈が十分ではない場合があり、気になっていました。この勉強会を通じて、自分自身の記録に対して「根拠」を持って書けるようになると良いかなと思っています。
広報:なるほど、実際に不整脈を発見した時に慌てないため、また発見したあとの判断に自信を持てるように知識を再確認・共有したというわけですね。もし、報告をする時に重要となるポイントがあれば教えてください!
Bさん:可能な限りよく観察をして情報が取れるようになって欲しいと思います。情報として、「不整脈があった」という事実もそうですが、焦らず「不整脈があり、○○といった自覚症状がありますので、今回は××という判断をしました」という自分のアセスメントを持ち、それを報告してもらえるような状態にできたらいいなと思います。事実だけではなく、アセスメントを踏まえて“今は様子見でよいと思いますがどうですか?”といった相談の仕方ができるといいですね
広報:不整脈があった、だけではどんな症状や状態だったのか見えにくいですが、観察したポイントや状況などを踏まえたうえでこう判断しましたと知ることができるとより効率的かつ信ぴょう性がありますね!知らないことは不安ですし、不安だとご利用者様にも上手く説明ができませんので、知識の共有や振り返りは重要だと改めて感じました!今後の目標など教えていただけますか?
Aさん:在宅だからこそ、医療機器がない・検査できるものがないという中で緊急性を判断していくというのは、結構大きな課題だと思っています。不整脈だけではなく、転倒などにおいて骨折をしているかどうかなども機械がないから正確に分からないという状況など、ご利用者様の不安に対して、相談を受けたときに安心していただけるよう「これは大丈夫ですよ」「これは受診しましょう」と判断をして、お伝えできる看護師になれたらいいと思っています。
Bさん:看護師っぽくないかもしれませんが、私は制度などに興味があります。制度をしっかり理解していないとご利用者様に十分なご説明やご提案ができないことはもちろん、場合によっては公平性を損なう事もあるので、これからも勉強していきたいと思っています。
Cさん:私は目標というより、ステーションとして看護師・リハビリ職と区分けなくご利用者様をトータルで看れる視点をみんなで話し合ってご利用者様にとってベストな状況を作り出せるステーションになればいいなあと思っています。観察点もそうですし、「こういうところを看たほうが良い」ということを看護師からリハビリスタッフに伝えることでリハビリスタッフの視点も上がるので、そうするとトータルで質があがると思っています。この勉強会もそうですが、そういう機会を積み重ねていってみんなの質を上げていきたいと思っています。
広報:ありがとうございます!それぞれの目標についてお聞かせいただき、私自身ももっと頑張らねばと気が引き締まりました!勉強会、改めてお疲れ様でした!
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今回の勉強会では、不整脈の概要から症状について、実践的な判断基準などを改めて再確認する機会となりました。職種間の垣根を越えて、それぞれがご利用者様にとって最適な判断ができるように今後も意見を交換し高めあっていただきたいと思いました。
スターク訪問看護ステーションでは、技術や知識を習得するための勉強会を開催しています。事業所内だけではなく、外部研修への補助などもあるので訪問看護未経験の方も安心して訪問看護の世界へ飛び込んできていただける環境がございます!
ステーションの希望やご利用者様のご依頼に合わせた勉強会や研修を随時行っており、今後もより質の高いサービスを提供していくために、日々精進して参ります。